ガチャポン・食玩の確率論
山本弘の考察
山本弘の改訂部分 †
2005/01/18に次の部分が追加された。
ダブっていないのにダブっていると誤って判定される場合もあるかもしれません。
この確率も1/2として計算してみると、
手に取る確率 正しく判定 誤って判定
1個目とダブっていた場合 1/6=2/12 1/12 1/12
ダブっていなかった場合 5/6=10/12 5/12 5/12
この場合、ダブらない確率は5/6で、デタラメに買った場合と差がありません。
効率よく買うには、ダブっていないのにダブっていると判定する確率を可能な限り低く抑えるしかありません。
以下は、分かりやすくするために、「ダブっていないのにダブっていると誤って判定する確率」をゼロとして計算します。
さらに間違いを重ねる山本弘 †
ダブっていないのにダブっていると誤って判定される場合もあるかもしれません。この確率も1/2として計算してみると、
手に取る確率 正しく判定 誤って判定
ダブっていなかった場合 5/6=10/12 5/12 5/12
こうはならない。分かりやすくすべてのケースを書き出してみよう。縦が本当に引いた種類。横が予想した種類。
A B C D E F 合計
A 1/2*1/6 =1/12 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 10/60=1/6
B 1/10*1/6=1/60 1/2*1/6 =1/12 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 10/60=1/6
C 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/2*1/6 =1/12 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 10/60=1/6
D 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/2*1/6 =1/12 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 10/60=1/6
E 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/2*1/6 =1/12 1/10*1/6=1/60 10/60=1/6
F 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/2*1/6 =1/12 10/60=1/6
計 10/60=1/6 10/60=1/6 10/60=1/6 10/60=1/6 10/60=1/6 10/60=1/6 60/60=1
AをAであると当てられる確率が1/2であるなら、残りの1/2が「A以外」すなわち「B~F」に割り振られることになる。
B~Fの割り当ての内訳は本質的ではないので、分かりやすく均等に配分した。不均一にしても答えに影響はない。
1/2を5個に配分するのだからB~F1つ1つは1/2*1/5=1/10となる。
実際に手に取った食玩が「ダブっていない(B~Fのどれかである)」のはB~Fの5行。上記の表でいうと
A B C D E F
A××××××
B○○○○○○
C○○○○○○
D○○○○○○
E○○○○○○
F○○○○○○
の○の部分。この内「誤って判定」とは「ダブっている(=Aである)」と判断するケースだから、Aの1列。すなわち
A B C D E F
A××××××
B○×××××
C○×××××
D○×××××
E○×××××
F○×××××
○の部分を合計すると5/60=1/12となる。つまり山本の
手に取る確率 正しく判定 誤って判定
ダブっていなかった場合 5/6=10/12 5/12 5/12
は間違いで、
手に取る確率 正しく判定 誤って判定
ダブっていなかった場合 5/6=10/12 9/12 1/12
が正しい。
山本が犯している誤りは確率を考える上で典型的なものである。すなわち「起こる確率が同じでない
ものを同じであると考えてしまう」誤りである。
別な考え方では †
ところで上記は「AをAと判定できる確率が1/2」なら「BをBと判定できる確率が1/2」だろうという仮定に基づいている。
しかし実際にはAは既に購入しており、Aの音は「知っている」。しかしBの音は「知らない」のだから、「BをBと判定できる確率」に
アドバンテージはないかもしれない。すると表は次のようになる。
A B C D E F 合計
A 1/2*1/6 =1/12 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 1/10*1/6=1/60 10/60=1/6
B 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 6/36 =1/6
C 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 6/36 =1/6
D 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 6/36 =1/6
E 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 6/36 =1/6
F 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 1/6*1/6 =1/36 6/36 =1/6
計 8/36 =10/45 28/180=7/45 28/180=7/45 28/180=7/45 28/180=7/45 28/180=7/45 45/45=6/6=1
当然「Aである」と判定する確率はB~Fと判定する確率より高くなる。
そして同様に
A B C D E F
A××××××
B○×××××
C○×××××
D○×××××
E○×××××
F○×××××
の部分を合計すると、5/36。すなわちこの考え方では
手に取る確率 正しく判定 誤って判定
1個目とダブっていた場合 1/6=6/36 3/36 3/36
ダブっていなかった場合 5/6=30/36 25/36 5/36
となる。いずれも山本の答えとは異なる。
山本はどこで間違えたか †
ところで、山本が想定したような「ダブっていないのに1/2の確率でダブっていると判断」するような状況が起こりえるだろうか。再び表を見てほしい。
A B C D E F
A◎△△△△△
B○×××××
C○×××××
D○×××××
E○×××××
F○×××××
「AをAと(正しく)判断」するケースは◎の部分。
「AをA以外(誤って)判断」するケースは△の部分。
「A以外をA以外と(正しく)判断」するケースは×の部分
「A以外をAと(誤って)判断」するケースは○の部分
◎と△の比が1/2になり、かつ○と×の比も1/2になる場合に、山本の仮定が成り立つ。
これを満たす一番簡単な例は
A B C D E F
A◎△△△△△
B◎△△△△△
C◎△△△△△
D◎△△△△△
E◎△△△△△
F◎△△△△△
と予想することだろう。つまり「手に取ったものが本当にAであろうとなかろうと、1/2の確率でAであると判定する」場合に山本の条件が成立する。要するに「何でもいいから2回に1回はダブリである」と判定すればいい。もちろんこんな行為に意味はないから、結果が「デタラメな判定」と一致するのは当たり前のことなのである。つまり「デタラメ」な判定だから「デタラメ」な判定と一致するに過ぎない。
思いつきを法則と思いこむ山本弘 †
山本弘はいう。
ガチャポン・食玩で共通しているのは、運に頼ってコンプリートしようとすると、
出費の約2/3は残り1/3を入手するために費やされるということです。
15種類の食玩の場合、最初の10種類を入手するのに必要な期待値は15.5個ですが、
残り5種類を入手するにはその2倍以上、34.3個も買わなくてはなりません。
「もう2/3揃ったぞ。あと1/3なんて楽勝じゃん」
そう考えたくなるのは人間として当然ですが、確率論的には誤っているのです。
あなたは残り1/3を手に入れるために、これまでの出費の倍額をさらに費やさなくてはならないのです。
「残り1/3を揃えるのに2/3の費用がかかる」は正しいのだろうか。
分かりやすく3種類の食玩を考えよう。最初の1種を入手するための期待値は当然1。2種目は3個の中から2個を選ぶのだから3/2個。最後は3個の中から1個を選ぶのだから3個。
1種目 1 1
2種目 1.5 2.5
3週目 3 5.5
右側は累積期待値。2種目まで揃えるのに必要な購入数が3.5。残り1個を揃えるのに必要な購入数が3。これは3/5.5=55%であり2/3よりかなり小さい。
また山本自身が計算してる20種の食玩を見てみよう。20種類の2/3はおよそ13種。山本自身の計算ではここまでの累積期待値は20。一方20種類全てを揃える累積期待値は71としている。つまり残りの1/3を揃えるのに必要な個数は51個ということになり、それは51/71=72%で2/3よりかなり小さい。
要するに2/3というのは単に山本が考えた種類(15種ぐらい?)の場合に成り立つ値であって、それより少なければ2/3より小さくなるし、大きければ2/3より大きくなる、何の普遍性も持たない値に過ぎない。
喩えるなら1~10の数字を当てるゲームの勝率が10%であることを根拠に、「数字当てゲームに共通しているのは勝率が10%程度であることです」というような間違いなのである。いうまでもないが1~100の数字を当てるゲームの勝率は10%よりずっと小さいし、1~3の数字を当てるゲームでは10%よりずっと大きい。