志水一夫
と学会ウォッチ
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志水一夫はウィキペディアのパシフィック・ウエスタン大学に関する記述に以下のような記事を追加している(なお当該箇所はすでに他者によって削除されている)。

カリフォルニアにあった頃は州の認可校で、日本でここの博士号を取得すると国務省の
裏書証書が付いてくるほどだったが、カリフォルニア州の認可基準が厳しくなってハワイに
移った頃から学位の発行基準がゆるくなってしまい、米国政府内でも問題視されるに至っている。

しかしこの「昔のPWUは学位発行基準が厳しかった」というのは本当なのだろうか。

志水一夫は上記のウィキペディアの項のノートに次のように書いている。

実はベアー博士と10年ほど前、著作購入のためにちょっと文通していたことがあるのですが、
当時直販で著作を購入した人にのみ同封していた挨拶文では、 非認定校ベストテンにPWUを入れておられました。
その頃は学費も安く審査も厳しかったのが、カリフォルニアの法律が変わってハワイに
移った頃から変質してしまったようにも見えます。

また汚染される日本の大学-偽学位問題-のブログに志水一夫および原田実(両名ともと学会のメンバー)が次のようなコメントを寄せている。コメント中、夜帆とは志水一夫。

夜帆
■ 認可校時代の出身者はちょっと気の毒
 パシフィック・ウエスタンは、かつてはカリフォルニア州の認可校で、
当時は非認定大学の中ではベスト級であり、その方面の第一人者であるベアー博士も
非認定校のベストテンに入れて推薦していたほどだったのですが、
カリフォルニア州の認可基準が厳しくなったのに附いて行けず、
本部をハワイに移したあたりから著しく権威失墜した模様です。
日本でも認可校時代に学位を授与された人が多く、それを考えるといささか気の毒にも思われます。
原田実
私がPWUの博士号をとったのは1995年、まだ同大学が無認可大学の中では良心的、
とされていた頃です。申し込みを決心した際には夜帆先生にも相談しています。

つまり志水一夫が「気の毒」と思ってた人の一人は原田実のことらしい。そんなことはどうでもいいが、志水一夫の肝心のPWUの説明がその後二転三転する。

カリフォルニア州が三段階の認可制度を設けたのが1994年で、それから何年かしてから三段階制が廃止
↓
三段階制になったのが1989年で、それが廃止されたのは「1994年」
かつてはカリフォルニア州の認可校だった
↓
PWUは一度も認定校になったことはありません
↓
カリフォルニア州の準認可 (承認) というのは、認可への猶予段階だったと考えられます

なんとも心許ない説明だが、他人のブログに対する短いコメントだし、昔調べたことを記憶を頼りに書いているならこんなものかなと思った。しかしこのコメントを志水一夫が投稿したのは2004年11月。志水一夫その一ヶ月前の2004年10月にウィキペディアへ前記の記事を追加している。にもかかわらずこんなに記憶が曖昧ということは、ウィキペディアの記事もたいした確認をせずに書き殴ったものではなかろうか。

ちなみに志水一夫が「別冊宝島・トンデモさんの大逆襲」でPWUの紹介をしたのは1997年。その記事を

多分この問題について最初に本格的に扱ったもの

と自賛する一方で、

自分も個人的に調べているだけなので、あまり責任のあるお答えもできない

という。そして

いやあ、それにしても思わぬ勉強をさせていただくことになりました (^^;)。

と結んでいる。これは「社交辞令」とは思えない。この「思わぬ勉強」をする前に志水一夫はウィキペディアの記事を書いている。

http://khon.at.infoseek.co.jp/daigaku/pwu.html によるとベアー博士のベアーズガイド(2001年版)にはPWUに関して以下のような記述があるらしい。

1997年、ハワイ州当局(消費生活課)は同大学に対し、「非認定大学であることを隠すなど州法に違反しており、
全ての学生及び卒業生に学費を返還せよ」と求めて訴訟を起こしている。
ほぼ同時期に全米のテレビ番組「American Journal」は同大学についての特集を組み、
ハワイの無人の部屋を同大学のキャンパスとして紹介し、2週間もかけずに修士号が得られると報じた。
(大学側は否定しているが、訴訟に及んでまで否定しようとはしていない)

志水一夫がベアー博士とやりとりを行なってたのは1995年頃らしく、上記の2001年度版の出版時期とは微妙にずれているが、志水一夫の言葉から受けるPWUに対するベアー博士の評価とずいぶん印象が異なると感じざるを得ない。

http://richmondbraves.ameblo.jp/entry-9a73a3b0b289fce442259e94f30d3aeb.html にPWU問題を扱ったアメリカのニュース番組http://kvoa.com/global/story.asp?s=2578367&ClientType=Printable の抄訳とともに

Iadevaiaは1992年の段階で博士号を取得しているわけですから、
もし夜船氏のいうように、10年ほど前までPWUがまともな大学だったのなら、
1992年に博士号を取得した(と文章から推察される)Iadevaiaの件については
問題にならないはずですよね。面白いのは、PWUをトップ10の否認定校にあげていたと
夜船氏のおっしゃるBear氏もこの番組に出演していたということです。
Bear氏はなぜ、「Isadevaiaの場合は問題にならない」と番組でいわなかったのでしょうか?

という疑問が示されている。

このような食い違いが生じる理由として考えられるのは、

1)1995年ぐらいまでPWUは極めて優良だったが、1997年までの2年間で急激に劣悪になった。
2)1995年の時点ですでに(というか最初から?)PWUはこの程度の大学だったが、
   ベアー博士の調査&分析不足で優良大学と評価してしまった。
3)志水一夫がなんらかの理由で、事実をそのまま伝えていない。

であろう。1)が志水一夫の主張に近いが、こんなことがあるのだろうか。

ベアー博士は1995年頃、自著の購入者に送った挨拶状で
PWUは高く評価できる非認定校であると語っていた。

このような主張をしているのは今のところ志水一夫だけである。そのような挨拶状が実在するにしても、ベアー博士がどのようなニュアンスで「PWUを優良と評価してた」のか、我々は志水一夫を通してしか知る術がない。

思うに志水一夫はPWU(の学位取得者)を擁護したいという願望があり、そのためにベアー博士の挨拶状の主旨をいささか湾曲させているのではあるまいか。例えば超常現象に懐疑的な本を取り寄せたら同じ出版社から出ている超現象に肯定的な本の宣伝パンフレットも同梱されていた、というような類のものではないのか。志水一夫の一連の主張の根底には「昔、原田実にこの大学を薦めてしまった」という罪悪感に対する自己弁護の願望があるのではなかろうか。

補足 Edit

PWU関連のサイトが列挙されているヤフーのブックマークがある。この登録者のczt02064とは、オスカーこと夜帆こと三井一郎ことrevealことkadzuwoこと志水一夫。この中に

「Distance Learning Discussion Forums - Pacific Western University」

かつては州の準認可校 (Authorized) だったのですが、基準が厳しくなったのについて行けず、ハワイに移転し…

という項目がある。「これが志水一夫の主張の根拠か傍証なのだな」と思いきやこのスレッドにもは志水一夫の主張を裏付けるような発言はなかった。むしろ、「きちんとした大学なら基準が変更されても移転するはずがない」「かつてはまともだったと信じる理由はない」という発言がある。

Rich Douglas Registered:Feb 2001

I doubt seriously if they would have done this if they were really operating
all of their programs at a sufficient level.

There has never been a reason to believe PWU has ever operated a legitimate program.

またカリフォルニアが3レベルの区分けを行なっていた時期の(PWUのレベルである)"Authorized"について、資本金と必要な書類を用意すれば得られると述べている。そして資本金も書類も実際にはノーチェックという発言がある。

Rich Douglas Registered:Feb 2001

Schools at this level only had to submit an application addressing 13 areas
and claim $50,000 in assets (which wasn't checked carefully).
Later, they had to state that they offered at least some form of instruction,
but this was never evaluated by the state.

志水一夫の文章には「なぜこんなところにこのコメントがついているのか?」と訝らざるをえないような表現が目立つ。例えば志水一夫がamazonに開いているブックリスト

Peterson's Guide to Distance Learning Programs 2005
中でも、かつてカリフォルニア州の承認校 (Authorized) で、
日本校もにぎわっていた非認定校 「パシフィック・ウエスタン大学 (PWU)」 は、
州法の変化に応じきれず…  

人は「昔は~だったが(今は違う)」という文章を読めば、「その後の質の低下により認可が取り消されたのだ」という印象を受けるものである。しかし事実はそうではなく変わったのは制度の方なのだ。敢えてこのような記述をする他の理由が見つからない以上、読者のミスリードを意図していると思われても仕方がないのではなかろうか。

志水一夫は全体的にはディプロマミルを批判する一方で「PWUはそうではない」という主張を巧妙に潜り込ませている。例えば志水一夫の超常オカルト業界ウォッチング『ここだけ の話』第2巻第1号2000年1月13日発行(文中の某大学とはPWU)

米国の某大学の学位が「お金で買うことができる」とあるのは誤り=
この件の詳細は、別冊宝島『トンデモさんの大逆襲』をご参照ください。

同様の記述は彼のサイトにもある。

一部のマスコミでお二人が “学位を買った” と報じられたのは不正確。論文の提出を初め、
手続きとかが結構大変なんです (10年ほど前に問い合わせてみたことがあるんです (^^;)。

要するに志水一夫の言い分は

学位取得には数10~数百ページの論文を提出しなければならないのだから、買ったわけではない

というものらしい。しかし内容がまともに審査されないのであれば何百ページ論文を書いたところで、それは購入のための手続きに過ぎない。PWUが問題視されているのはその審査が期待されるレベルで行なわれてない点なのだから、PWUを擁護するのであれば「論文提出を要求する」事実ではなく、「提出された論文の審査が健全に行なわれている」事実を示さなければならない。

冒頭に示した志水一夫の書き込みのうち

日本でここの博士号を取得すると国務省の裏書証書が付いてくるほどだったが、

の部分は翌日に削除されている。

http://khon.at.infoseek.co.jp/daigaku/clayton.html のサイトによれば

国務長官に学位に対しての確認書を発行する権限はない。

らしい。つまりPWUの学位に対して国務省が証明書を発行することはないわけで、志水一夫が最初に書いた文章は

PWUの学位取得者に国務省の裏書証書は発行されていないが志水一夫が勘違いした。
事実発行されているが偽物である。

のいずれかになる。前者であれば、志水一夫個人の言動が信憑性に欠くとだけの問題だが、後者であればPWUが詐欺まがいのことをしている一例になる。志水一夫はノート

境界領域?
「ニセ学位」なら犯罪ですが、この場合は境界領域といった感じですね。

と書いている。国務省の証明書をPWUが偽造するようなマネをしていれば、それは「ニセ学位」そのものだろうから、志水一夫は該当箇所を削除するだけではなく2つのうちどちらだと主張するのかを明らかにすべきではなかろうか。

http://khon.at.infoseek.co.jp/daigaku/pwu.html にはPWU日本事務局へのインタビュー記事が示されている。

学費は約160万円。A4用紙50枚程度の論文か著作物(専門書でなくても可)を提出すれば、
「1年から1年3カ月で博士号が取れる」という。
「10年くらい前から、医学博士や法学博士の称号は連邦政府の国家試験に通らなくては取れなくなりましたが、
健康管理学博士とか健康科学博士といった学位なら取れますよ」と、

この文章からは10年前(1994年頃)から現在に至るまで、PWUの活動に変化があるようには受け取れない。志水一夫の手を経た記事を除外したあらゆる事柄が、志水一夫の主張を否定している。結局の所、「昔はまともだった」というのは、利害関係のある人間(を友人にもつ志水一夫)の願望のように思える。

ところで2chの歴史板「偽史について考える」スレでは2004年後半、散発的に原田実のPWU学位問題が取り上げられており、その中に志水一夫本人と思われる発言がある。

439 名前:日本@名無史さん[] 投稿日:04/10/31(日) 19:42:02
パシフィック・ウエスタン大学については、かつて(秋山さんや原田さんが博士号を取得された頃ね)は
米国務省が裏書証書を出していたのに、今頃政府内であんな騒ぎになっているのはなんだかな、って感じ。

世界一のニセ学位の専門家、ベアー博士だって、10年前には非認定大学のベストテンに選んでいたほどなのに、
ハワイに移ったあたりから堕落して、同じ名前でもまるで別のところみたいだよ (つ_;)。

440 名前:439[] 投稿日:04/10/31(日) 19:57:30
米国政府の承認証の写真が出ているページがあったよ。
ただし、かつての国務省のもの(茶色い用紙で、前はその画像をアップしているところもあったのですが)とは別物のようです。
この学位が偽者だとすると、米国は政府ぐるみで日本人をダマしていたということになるのだが……。

この投稿は前記のウィキペディアの加筆の同日に行なわれている。こうなると志水一夫は原田実を擁護するためにウィキペディアを利用していると勘ぐられてもしかたないのではないだろうか。志水一夫本人は

 原田実が学位を取得した頃のPWUはまともだった

と心から信じているのかもしれないが、その志水一夫の主張を他者が支持し得る状況にはないように思える。

誰に誰が知恵をつけたのか Edit

http://richmondbraves.ameblo.jp/entry-9a73a3b0b289fce442259e94f30d3aeb.html

で、その別冊宝島が出てから、ハワイとかにほとんど法人登録だけしている
「和製アメリカの大学」が続出することになっちゃったんですけど、警告のはずが、
ひょっとして連中に知恵をつけてしまったのかも (^^;)。

90年代半ば志水一夫がこの手のことを調べ始めたきっかけは何だろうか。志水一夫は国際新科学会(ISP)の理事を務めている。同会の前身、国際新科学学会の設立は1990年らしい。同学会会長の實藤遠(実藤遠)はイオンド大学理学博士らしい。同学会には志水一夫との共著もあるゆうむはじめ等も参加している。余談だがイオンド大学未知現象研究学部の学部長はUFO特番で知られた矢追純一。

憶測になるが1995年志水一夫がPWU関係を調べていたのは国際新科学会および實藤遠の学位取得のためではあるまいか。経歴にハクをつけたいトンデモ関係者からは志水一夫の知識は当時重宝されたかもしれない(事実原田実からは相談を持ちかけられたのだから)。また同学会最高顧問を努めるドクター中松は自分で設立した発明協会を使って自分に賞を授与するなど売名行為をしばしば行なっている。志水一夫の行動は同学会において培われたものかもしれない。


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Last-modified: Tue, 21 Jun 2005 11:37:11 JST