山本弘は「電光掲示板の文字は光速を超えるから量子テレポーテーションも相対論と矛盾しない」と「トンデモ 超常現象99の真相」で書いてと学会のトンデモで批判されている。これはもともと「相対論は間違っていた」と主張するトンデモさんの主張が間違いであることを説明した山本弘の文章であるが、量子テレポーテーションと電光掲示板の文字では次元が違いすぎて、これではどちらがトンデモさんかわからない。

量子テレポーテーションと相対論の整合性が問題視されたのは質量を持った物体が超光速で移動するからではない。情報が超光速で伝搬する可能性が予感されたので問題視されたのである。相対論に従えば超光速での情報の伝搬は過去への情報の送信を意味するから、それは因果律に抵触する。「超光速の情報伝搬」「相対論」「因果律」の3つは共存できないので、超光速の情報伝搬が問題になる。ひるがえって電光掲示板の文字の速度と超光速の情報伝搬の可能性はなんら関係がない。

現在のところ量子テレポーテーションを用いても超光速の情報伝搬は否定的なみかたが大勢だが、だからといって検討をおざなりにしてよいわけではない。相対論も因果律も重要であるからこそ抜け穴がないか繰り返し検証される。

山本弘の文章に対する当該サイトの反論を要約すれば「質量があろうがなかろうが超光速の物質の運動は因果律と抵触する」それとは別に「相対論が質量がゼロの物体の超光速運動を許容しているというなら、(静止)質量がゼロの電磁波(光子)はどうなのだ」となる。それに対して山本弘は「僕は光は電磁波の一種でないなどと言った覚えはない」ととんちんかんな反論をしている。

電光掲示板を右から左に移動する文字の光は質量がないから超光速が許されるのではなく、移動しているのは見かけだけであって、実際には何も移動していないから見かけ上超光速が許される。一方、量子テレポーテーションの方は何らかの状態の伝搬は超光速で行なわれると考えられている。しかしそれを有意な情報として取り出すには通常の通信と併用しなければならず結果として超光速の情報伝搬はできないと現在のところ考えられている。「伝搬するが取り出せない」という振る舞いは日常的な言葉で量子の振る舞いを表現する限界を示している。


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Last-modified: Mon, 04 Apr 2005 23:48:56 JST